午後四時のお茶会  【1】



★ 一年生・夏 【選択E教室】 pm.4:00

「ねえ、こんなところで何をしているの?」
「うわああああ!? わ、若月(わかつき)さん〜〜〜!? な、な、なんでこんなところに!?」
 後ろをついてきた私の気配にまったく気がついていなかったらしい友近(ともちか)くんは予想以上のリアクションで驚いてくれた。
 思わず、してやったりと緩みそうな顔を必死で抑えるのはなかなか苦労がいった。
 人をからかって遊ぶのが大好きだった私、入学してから随分とそれを我慢していたから思っていた以上に嬉しさがこみ上げてくる。
 いけない、いけない。緩んじゃったらせっかくの猫が台無しになる。
 やっとのことで特待生で入ったこのブルジョア学園、目的が果たせなくなっては困ってしまう。
「なんで五号館なんて用もなさそうなところに向かっているのかと思って追いかけてきたのよ。それで、一体何をしているの?」
「な、何って部活ですよ、部活」
「部活って何をやっているの? 何にもないし、誰もいないようだけれど」
「…………陶磁器研究会です……」
「陶磁器!?」
 とてもいいにくそうに語られた言葉に私は心底驚かされた。
「そんな部活があったの!?」
「同好会ですけれど、あります。実在しています。ちなみに僕は副部長です」
「夏休み前でもうすでに一年生が副部長であるという点で、どのくらい少ない人数の同好会なのかがよくわかるけれど、普段どういう研究をしているの? 本当に作ってみるとか?」
「それでは陶芸部でしょう。うちはあくまで『陶磁器研究会』、作るよりもむしろ鑑定のほうです。いろいろな陶磁器の特徴を捉えて本当の価値を学ぶんですよ。うちの学校は陶磁器輸入を扱った会社の子弟もいますし、少なくはありますが、一応人数もいます」
「そのわりにあなたしかいないようだけれど」
「……一応活動日は火曜と金曜の放課後なんですが、皆さんほとんどいらっしゃいませんね。唯一みんなが揃うのは月一回の会合の日ぐらいですね。――あ、でもこれから文化祭がありますから次の会合からは人もそこそこ出てくると思うんですが」
「ということは、つまり友近くんは週二日、一人でさびしく陶磁器の研究をしているわけね。友近くんのご実家は輸入業をなさっているの?」
「どちらも違いますよ。うちは会社なんて経営していませんし、そんなに陶磁器に入れ込んでいるわけではないです。普通に読書をしたり、勉強をしたりしています。うちは人が多いので家でゆっくり勉強とかできないんですよ。それに高い授業料なだけあって無駄に全館全室冷暖房完備ですからね、使わない手はないでしょう」
 それは初耳だった。人が多い、ってことはたくさん兄弟がいるってことよね。家でゆっくりできない、会社経営していない、見た目もやることもすべて地味でクラスでも目立たない。そして何より妙にしみったれたこの発言! 
 こ、これは仲間なんじゃあ……。
 いや、きっとそうだ。見た目も印象も地味だけど、ホントに地味にこいつは庶民だ。
「――――見つけた――――」
「え? 何か言いましたか?」
「見つけたって言ったのよ! いやあ、探したわ〜。庶民仲間。ぶるじょあ〜な学校だからまあ覚悟はしていたんだけど、ここまで仲間がいないとは思ってなかったのよね。でもこんなに近くにいただなんて、もうっ、本当に灯台下暗しね!」
「……わ、若月さん? ど、どうしたんです?」
 友近くんはいきなり変わった私の様子に目を見張っている。
「どうしたもこうしたも嬉しくってたまらないのよ! やっとストレス解消できるわあ。これからよろしくね、友近くん」
「は、はい? 何をよろしくなんですか?」
「決まってるじゃない、猫かぶりの愚痴よ」
「なんでまた猫被ってストレスためてまでこの学校に通ってるんです?」
「あら、質問が多いじゃない。まあいいけど。――もちろん、玉の輿に乗るために決まってるじゃない!」
 当然でしょ、とおおいばりで宣言すると、友近くんは私をまじまじと見つめたまま黙り込んでしまった。






★ 一年生・初秋 【選択E教室】 pm.4:02

 選択E教室のドアを開けるとやっぱり友近くんが一人でイスに座っていた。
 いきなりドアが開いたからか、はたまたそのドアを開けたのが私だったからか、その両方かはわからないが、友近くんは非常に驚いた表情で固まってしまった。
「ななななな何しに来たんですか!?」
 思いっきりどもっている。
 そんなに驚かなくてもいいじゃない。
 確かにこの間はつい本音がでちゃって引いていたみたいだけどさ。
 ちょっとむっとしながらも、私は目的を果たさなくてはいけない。
「私も陶磁器研究会に入部しようと思って」
 ほら、と昨日の夜に書いた、妙に書くところのたくさんある入部届を友近くんの目の前に差し出した。
 この入部届、本当に書くのが大変で、すぐ終わるだろうと高をくくっていた私はひどい目にあった。
 この学校が校則でそう規定されていないにしろ、クラブの掛け持ちがいないというのもなんとなく頷けるほど記入欄が多い。それも学校側とクラブ側と生徒会側の三枚も書かなくてはならないからもっと辛い。(ただし、生徒会側への提出用紙の記入欄はその他のものより数が少ない)
 就職のためのエントリー用紙じゃないんだからさ、こんなに多い必要ないんじゃないのかな。
「えっ、ほ、本気ですか!?」
「もちろん♪」
「…………」
 ねえ、そこでため息つかなくってもいいじゃない?
 部員が増えるんだし。






★ 一年生・初春 【選択E教室】 pm.4:35

 玉の輿狙ってこのブルジョアな学園に高校から編入して、あんまりにも違う生活習慣と価値観に狂いそうになり、明らかに地味でまた違った意味で浮いてる友近くんと話すようになってから結構経った。
「そうですね。随分経ちましたね」
 おいおい、そう言ってマイ水筒から玄米茶なんかついでずずっとすするのやめなよ。
「……ジジくさいよ、友近くん」
「放っておいて下さい。いいんです、僕は。それにいきなり玉の輿宣言を僕にしたあなたよりかずっとましです」
「いいのよ、私は。美人だしー、ナイスバディだしー、頭だっていいしー、自分を磨く努力だっていつだって怠ってないもーん」
 ほほほほほっ!
 ちょっと自慢げに胸を反らせてみたりして。
 そんな私を見て、友近くんは呆れたようにため息をついた。
「自分で言いますか、そういうことを」
「言うわよ。だって私、自分に自信あるし。この魅力溢れるワタクシは努力の賜物ですもの」
「羨ましいですよ、本当に。でもそんなに自信満々なら、僕に愚痴らなくてもいいんじゃ……。というより、早く玉の輿の相手を見つけたらどうです?」
 あら、なんか反抗的。
「自信満々でもストレスはたまるのよ。だってウチはお金持ちじゃないし、どうしたってついていけないところだってあるし。なんだってこの学校そんなに高いんだってくらい学費が高いし。まあそれは一応私特待生だし、いいけどさ」
「そんなの分かりきってきたんでしょう、この学校に」
「あーはいはい、そうです。お金持ちがいるの狙ってきたんだから。でもストレスたまるもんはたまるんだもの。しょうがないじゃない」
 本当にどうしようもない。
 ついていけないところがあるのもしょうがない。
 猫を被らざるをえないのもしょうがない。
 でも、ずっとニコニコ、人に合わせていい子してるのも疲れる。たまには本音で話してみたくもなるもの。それがたまたま友近くんしかいなかったんだ。
「それに一応彼氏候補はいるのよー。一組の藤堂(とうどう)くんとか、四組の各務(かがみ)くんとかさ」
「ああ、TODOと各務物産の御曹司ですか。それはそれは」
 TODOっていうのは大手コンピュータ関連企業、各務物産も轟く有名企業だ。そろいもそろってもちろんお金持ち! 二人ともルックスもまあまあだ。頭のほうは…………まあ、ちょっと問題ないとは言えないけれど。
 でも全然自慢できる範囲のもんだと思う。けれども友近くんは微妙な顔をしている。
「……な、なんか問題あんの?! TODOと各務物産って」
「まあ、ちょっと……」
「な、なによ、教えてよ!」
「ちょちょっと、若月さん、胸倉を掴まないで下さい! 苦しいです」
 思わずエキサイティングしてしまって、掴んでいた胸倉を離した。
 友近くん、そんなにわざとらしく咳き込まなくってもいいんじゃない? ちょっと嫌味だよ。
「言っときますけど、わざと咳き込んでるわけじゃないですからね。本当にくるしかったんですからもうしないでくださいよ!」
「はーい、わかってまーす」
「……いつも返事だけはいいですよね……」
「嫌味はいいから早く教えてよ」
「TODOは株価が下降傾向から抜け出せていません。これといった指針も資金投入もないですから、もっと下がるでしょう。各務物産は内部がちょっときな臭いようですよ。もしかしたら査察が入る可能性も」
「え、もしや脱税とか?」
「いえ、それよりも内部幹部の横領というか不正取引のようなものが。まあ、大きな会社ですから会社自体が傾くようなことにはならないでしょうが、信用問題というものがありますから、どうなるか」
 友近くんは彼のその地味さを助長している眼鏡をとって曇りを磨いた。
 うーん、この眼鏡さえなきゃ友近くんもましになるのになあ。
「ああ、それはまずいね。というか、あの二人、そんなの微塵も感じさせないんですけど。金遣いも荒いし」
 ちょっとどころかかなり軽い、私に騙され続けている二人を思い描く。
 ……へらへらしてる顔しか思い出せないなあ。うーん、これってどうなんだろ。
「まあ、まだ高校生ですから、そうそう親の経営とはいえ、会社のことなんかで影響は受けないでしょう。それに」
 と言葉を切ってちょっと言いにくそうにしている。
 私に気を使っているんだろう。
 でもそんなのは不要だ。だって、別にそんなに彼らに対して想いいれはない。(同時に二人いるところがなんともそうだ)
「あの二人だもんねー。そりゃあしょうがないわ。――あーあ、せっかくいいの見つけたと思ったんだけどなあ。だめじゃん」
「『いいの』とか言うのをやめたらどうです?」
「うるっさいわよ、アンタ。余計なお世話ですー」
 いいじゃないの、ここだけなんだから。気を抜けるのって。
 ここ以外ではずっと気を張って猫を何匹も被って頑張り続けなくちゃなんだから。
「それに玉の輿に乗ることを考えるより、あなただったら自分で稼いで輿を作ったほうが早いんじゃないですか?」
 それはもっともだ。
 なんにせよ、奨学金取れて、授業料タダの私だ。
 才能は自慢じゃないけどあると思うし、絶対に自分でも相当稼ぐことはできると思う。
 でも、でもそれじゃあ。
「それじゃ、いつまで経っても楽できないじゃない! そんなのはまっぴらごめんよ」
「…………」
「なによ?」
「楽したいのなら、玉の輿なんて諦めたほうがいいんじゃないですか? もっと平凡な幸せを求めたほうが無難かと」
「いいの! 夢なの! 野望なの! そのための努力だったら惜しまなくってよ」
 ほほほほほっと高笑い。
 疲れるけど、自分磨きは忘れない。忘れちゃいけないこと。
 そんな私を見て、友近くんは諦めたようにため息をついた。






★ 二年生・春 【選択E教室】 pm.3:56

「なあんか、全然見学者がこないねえ」
 今日は三時からクラブの見学時間となっているのに、一時間くらい経とうとしている今になっても見学者が一人もない。
「せっかくお茶の用意もしっかりしたのにねえ」
 お茶請けだってちゃんと買ってきたのだ。そこら辺のコンビニ菓子じゃあこの学校の方々の口には合わないだろうから、わざわざ新宿のユーハイムまで行って。別にそれほど高いお菓子ってわけでもないけれど、一応ちゃんとしたお店だからとりあえず口に合わないってこともないだろうと。
 ま、ちゃっかりユーハイムのレストランですごくおいしいパフェを食べてきてしまったのだけれど。――もちろん、買い物に付き合ってもらった藤堂くんのおごりで、だけど。
「毎年こんなものですよ」
 私がため息をつくのをみて、友近くんは冷静に言った。そうして入れたばかりの紅茶を飲む。
 今日はマイ水筒で玄米茶ではなくて、しっかりとメーカーもののカップにグラムいくらの量り売りでしか売ってくれない高い紅茶だ。
「特に今日は初日ですから、皆さん、一番興味のあるところにまず最初に行くものでしょう」
「つまり、陶磁器研究会はマイナーすぎて一番にはならないということね?」
「それははっきり言い過ぎでは……」
「だって本当のことでしょ。新入部員を入れるいい機会だっていうのに、他のいるんだかいないんだかわからない部員たちは誰一人として手伝いに来ないじゃない」
「連絡はしたんですがね、どうも忙しいようですね」
「別に友近くんが閑ってわけでもないでしょうが」
「それはそうですけどね。いたって邪魔になるだけで、説明も何もできない人間がいなくたって別に支障はありませんよ」
 な、なんか友近くんってちょっと黒い? 何気にひどいことを言っているような……。
 ででででも、私も活動の説明とか、陶磁器の説明とかあんまりできないんですけど……。
 ということは私も邪魔? ……邪魔だよな。
 よし、ちょっとやっつけ勉強しよう!
 食べ物の横に積み上げられた食器のメーカーカタログを一つひっぱりだしてぱらぱらとめくった。
 たまたま取ったそれはやっぱりこの学校に相応しく、とても価格が高いので有名なメーカーのものだった。ページの隅に書かれている値段を見てはため息をつきたくなる。
 やっぱり開く気配のないドアをちらちらと見やりながら、ページをめくっていると、一つのティーカップが自然と目に入ってきた。
 緑のペイズリー柄の縁取りが入っている気品漂うティーカップ。華美ではなくむしろ地味に見えるが、今まで見たカタログのどれよりもいいと思った。
 初めてこれがほしいと思ったが、値段を確認すると、他のものに比べれば安いほうだが、それでもやはりとても自分のお小遣いなどで買えるような値段じゃない。
「あーあ、高いなあ」
 盛大にため息をつくと、友近くんは私の手元をのぞいてきた。
「何か気に入ったものがあったんですか?」
「うん、これが気に入ったんだけどねー。やっぱり高くて買えそうもないわ」
「ああ、このカタログは一昨日届いたばかりなんですよ。――高いでしょうね、このメーカーは」
「ああ、やっぱり新しいのだったのね。道理で見たことないと思った。何とかお金ためて買おうかなあ」
 うーん、どうしよう。
 昼ご飯とか誰かにおごってもらえば、何とかお金もたまるかな?
 と、算段をつけていると、その思考が口に出てしまっていたのだろう、友近くんが微妙な顔をしていた。
「……そういうたかりのような計画立てるのは止めてくださいよ」
「たかりじゃないわよ。向こうが勝手におごってくれるんだから。――ま、それらしいように振る舞いはするけどさ」
「それがたかりだというんです! どうせ驕らせるなら、このカップを買ってもらったらいいじゃないですか」
「あら、一回に大きいものなんて買ってもらったら、向こうが気がついちゃうでしょう? 自分がまるで貢いでる男みたいだって。そしたらそれきりじゃない。でも、こまごまと小額のものを長くだったら意外と気がつかないものよ? 今だってデート時に驕ってもらったりしているくらいだから、気がついてないでしょ。利用できるものはできる限り利用しないとね!」
「またあなたは変な方向にばかり頭を使って……」
 私は高笑い絶頂で、友近くんは頭を抱えた。






★ 二年生・夏 【選択E教室】 pm.4:03

「とーもちーかくーん」
 語尾にハートマークが付きそうな勢いでもって呼びかけると、友近くんは顔を引きつらせて後ずさった。
「な、なんですか? 気持ち悪い声を出して」
「気持ち悪いなんて失礼ねえ。さあこれを食べなさい」
 後ろ手に持っていた袋を取り出して目の前に差し出した。友近くんは恐る恐るそれを受け取って、そろそろと開けた。
 そこに入っていたものを見て、友近くんは蒼ざめた。
「若月さん、これって……」
「クッキーとマドレーヌよ。食べて」
「クッキーって、これ、ですか?」
 友近くんは袋の中から一つ摘み上げてそう聞いた。
「そうよ、もちろん」
「何でこんなに妙な形をしているんですか?」
「型抜きに失敗したのよ。いいじゃない、味は変わらないわよ」
 きっと。たぶんね。味見してないけど。
 でもこれは言っちゃいけないだろう。というか、いわぬが花?
「これって、ジンジャーブレッドマンクッキー、いわゆる人型の型抜きですよね? なんで首から上がないんですか?」
「折れたのよ、途中で。いいから食べてみてよ」
「不吉なんですけど」
「気にするな」
 まだなんかぶつぶつ言いながら、友近くんは目を瞑って覚悟したように人型クッキーを口に放り込んだ。
「あ……思ってたのと味が違う」
 ぱちっと目を開けて、非常に驚いたようにそう洩らした。
「で、結局どうなのよ?」
「おいしいです。ちょっと、甘すぎるような気もしますけど」
 おっしゃあ!!
 一個クリアだ。そうよね、私にできないことってないものね!
「じゃ、マドレーヌは?」
「マドレーヌ……。これ、思いっきり潰れてるんですけど」
「え、マドレーヌって膨らんでるものなの?!」
「…………知らないで作ったんですか。怖いですね」
「いいから早く食べなさい」
「はい…………」
 覚悟を決めたらしい友近くんはやっぱりクッキーのときと同様に目を瞑って口に運んだ。
 一口食べて咀嚼する音が静かな教室に響く。
 友近くんが目を開けて口を開くまで、私は宣告を待つ死刑囚みたいな気持ちで待ってなくっちゃいけない。――まあ、それは言いすぎだけど。だって、死刑を宣告されたとしても私はやり返すしねー。
「若月さん」
「な、何!? まずい? やばい? おなか壊れそう? 一応胃薬持ってきてるんだけど!」
「胃薬って……、まさかあなた味見してないんですか?」
 大きくそれに頷くと友近くんはいつものように大きなため息をついた。
「で、どうなの?」
「味はいいです。おいしいんですが、もうちょっと見た目に気を使ってください。それに」
「それに?」
「味見くらい自分でしてきてくださいよ! もしくはご家族の方に食べてもらうとか」
 うん、それは私も考えたんだけどね。
「作ってたらその過程を見ていた家族はみんな逃げちゃったのよ」
 そう、それはもう不自然なくらい慌てて。失礼よねえ、そんなの。
 私は天才美少女なんだから、なんだってできるのよ!
「……ご家族の辛労が手に取るようにわかりますよ。まったく。なんだっていきなり、手作りしようなんて考えたんですか」
「それは……」
「それは?」
「男の子は手作りのお菓子とかお弁当とかもらうと喜ぶって聞いたのよ。だから一応ポイントを上げるためにもやっといてみようと思って。作れるようになっておけば、いざって時に役に立つと思うし」
「それってどこから聞いてきた話です?」
「藤堂くんと各務くん」
「……それは若月さんの手作りがほしいと要求しているんですよ」
「んー……、やっぱり? でもさ、だったらなおさらまずいものは渡せないじゃない」
「僕ならいいんですか!?」
「だって特に利害関係ないし」

〔つづく→〕


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 UpDate.2002.12.2

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